「指導者の心得」平元文雄

「指導者の心得」平元文雄

 土曜日、日曜日と二日間、4年生の大きな大会「湖南市カップ」に招待いただきました。その中で感じたことを二つ書いてみたいと思います。
 一つは一日目の予選リーグの試合で思ったことです。

相手チームの子どもが試合中負傷してグラウンドにうずくまりました。主審は様子を見た後、両手で×をベンチに向けて出されたのですが、ベンチの動きはありませんでした。指導者はグラウンドに腰を下ろしてただ見ていました。仕方なく、うずくまった子は一人立ち上がり、ベンチへ一人、足を引きずりながら帰りました。
 あの状況では、主審がベンチに向かって×のサインを出したのですから、指導者はその子のところに行って、抱っこ、もしくはその子のそばに寄り添って、一緒にベンチに帰ってほしいなと思いました。
 些細なことではありますが、指導者の態度、行動に疑問を抱きました。思い過ごしかもしれませんが、しょんぼりとした表情でベンチに帰る姿を見ていると、その子の内面を傷つけたのではないかと思いました。
 もう一つは菩提寺チームの選手起用についてです。

菩提寺チームは一日目の予選リーグを1位で通過しました。二日目の1位グループのトーナメント戦も、二つ試合に勝って決勝に駒を進めました。
決勝戦のメンバー発表の前に、チームの中心選手のTくんが腹痛を訴えました。暑い一日でしたし、もうすでに二試合やっていたので疲れもあったのでしょう。この子をメンバーからはずしたら、しんどいなと感じた私でしたが、Yコーチ、KコーチはTくんの話にしっかりと耳を傾けて、試合に出さないことを決められました。
 普通、大事な試合に中心選手がいないと試合は苦しくなるのは必至です。でも、「頑張って出ないか」という説得はやっぱり強制、押し付けになってしまいます。でも二人のコーチは子どもの声を信頼し、体調面を優先させたのです。本人も納得したことでしょう。このことはその子の心を動かしたと思うのです。ハーフタイムぐらいで体調も落ち着き、再度声をかけたら、「やってみる」と言って、後半はグラウンドに飛び出していきました。子どもの声に耳を傾け、子どもの思いをしっかりと受け止めてあげるということが、大事だなと思いました。試合には負けましたが、コーチとその子との素敵なやり取りが最後まで心に残りました。


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コメント: 2
  • #1

    T父とその嫁 (火曜日, 27 5月 2014 20:37)

     ありがとうございます。サッカーを通して人間を育てていただいていることに、ただただ頭が下がる思いでいっぱいです。感謝です。これからもよろしくお願いいたします。父拝
     帰って来て、兄貴と一緒にYコーチに教えて頂いた「オフ・ザ・ピッチ」について話し合っていました。今回の事で身をもって分かったと思います。
     監督、Yコーチ、Kコーチ、Tコーチ、あの時見守ってくださり本当にありがとうございました。チームの皆さんご心配おかけしてごめんね!今後ともよろしくお願いします。その嫁拝

  • #2

    藤田コーチ (日曜日, 01 6月 2014 07:09)

    サッカーも大事、サッカーの試合に勝つ事も大事、しかし、同じくらい大事なのは、選手一人一人の未来に関わっている事、このように私も思います。

    これからも、一緒に成長しましょう。