「一人ひとりを大切に」平元文雄

「一人ひとりを大切に」平元文雄

 猛暑、熱中症、死者○名、病院搬送○○名とニュースが伝えます。

 先日、5年生の招待試合が大津市大石グラウンドであり、参加させていただきました。

本当に暑い暑い一日でした。何試合目か忘れましたが、けんとくんが試合中、一目散にベンチに向かって戻ってきました。「ハー、ハー、ハー」と荒い呼吸をしていました。過呼吸です。しんどくて、我慢できずに、助けを求めて、彼は一直線にベンチに戻ってきたのでした。こちらが言葉がけをしても、しんどくて一言もかえってきません。私は、しんどくて帰ってきたことは、それでいいと思いました。自分の体調は自分が一番よくわかるのですから・・・。

 しばらく、ベンチで体を冷やして、体を休めると、徐々に呼吸も安定し、体調も戻ってきました。もし、我慢して、そのままプレイを続けていたら、彼は倒れていたかもしれません。彼の素晴らしいジャッジでした。

 その試合でなかったかもしれません。

 相手チームの子どもが、ボールをお腹に受けてうずくまってしまいました。審判はしばらく、そのことに気づくことなく、試合を続けられました。その選手はしばらくうずくまったままでした。しばらくして主審は気づかれて、その子のもとへ立ち寄られた後、様子を確認し、ドロップボールで試合を再開されました。

 試合が終わった後、子どもたちに「そんな時にどうしたらいいの」と尋ねると、「ボールを外に出す」と何人かの子が答えてくれました。「その通り」「わかっているんだ」さすが5年生。

 「次からはそうするんだよ」うずくまった子が味方の選手であろうが、敵の選手であろうが・・・。それがフェアプレイだよと伝えました。「さあー、できるかな」

 もう一つ。

 はやとくんが相手選手との接触で倒れて、グラウンドで頭を打ったようにベンチからは見えました。

 頭を打つと、よく脳震盪などを起こすことがあります。ましてこの暑さです。彼を見ていると、少しは頭を気にしているようには見えましたがプレイを続けました。大丈夫でよかったのですが、味方選手の「はやと大丈夫か」と気遣う声は誰一人からも聞かれませんでした。

 頭は大事です。今後そういうことがあったなら、仲間の選手は声をかけてあげてほしい。「大丈夫か」と。

 一人一人が大切にされることが、かけがえのないことなんだということをサッカーを通して感じ取ってほしいと思いました。


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コメント: 1
  • #1

    5年保護者 (火曜日, 04 8月 2015 00:45)

    いつも、ご指導ありがとうございます。

    隼くんへの対応ですが、何人かの子供たちが「大丈夫?」と声かけをしていたようです。隼くんの肩に手をやるようなジェスチャーはなかったのでベンチからは わかりづらかったかもしれません。隼くんもまた、痛みのせいで顔があげられず 返事ができなかったようです。

    最後のミーティングで同じ内容をお話して頂いた時、誰も「声かけしました」と言わなかったみたいですね。こう言う場面で控え目な所、いいと思います。

    監督、コーチの方々、いつも子供たちに寄りそってご指導して頂き 感謝しております。

    また、監督の「一人ひとりを大切に」というお気持ち、有難いなぁと思うのと同時に 子供たちにしっかりと届いて欲しいと思います。
    今後とも よろしくお願い致します。