「左まわり 右まわり」平元文雄

「左まわり 右まわり」平元文雄

 新年あけましておめでとうございます。

 本年も「菩提寺サッカースポーツ少年団」をよろしくお願いいたします。

 

 新年ということもあり、今日はサッカーのことでなく、野球のことを書いてみようと思います。

 私は小さい頃から野球が大好きでした。家の食器棚の上には大きなラジオがあったのですが、私はよく木製の脚立に上がってスイッチを入れたものでした。

 その頃はサッカーよりも野球に人気がありました。近くの寺でよくソフトボールをしました。そのお寺の井戸端にある柱に取り付けられたブリキ板に書かれた「ここで野球をすることならん」というお触書(よくガラスとか割ったもんなー)の末尾の「ならん」を消して、「ここで野球をすること」にするといったいたずらを野球仲間でしました。五十年以上たった今でも残っています。

 

 私は左利きです。

 

 当時、左利き用のグローブはありませんでした。右利き用のグローブを左手にはめて、ボールがグローブに収まったら、ボールを右手に持ち替えて、グローブを地面に落とし、ボ―ルを左手に持ち替えて投げていました。そのうちに、右利き用のグローブの型を何回も何回も手で叩いて、左利き用のグローブに変えていました。

 野球をするようになって思うのは、セカンド、ショート、サード、キャッチャーなどで左利きの選手がいないということでした。左利きの選手は草野球ならまだしも、プロ野球の世界では上記したボジションの選手は見かけません。

 

 皆さん、お分かりでしょうか。少し考えてみてください。

 

 内野手で右利きが多いのは野球が右利き中心のスポーツだからです。1塁、2塁、3塁、ホームとダイヤモンドを駆け巡るのは左回りです。そのため、左利きの内野手だと、捕球をしてからスローイングするまで、一度踏ん張って投げなければならないからです。瞬時を争う1塁でのクロスプレイでは不利になってしまうのです。

 また、捕手にしても右打者が多いために、左利きの捕手だと、スローイングするときに打者が邪魔になってしまうのです。

 右利きと左利きの比率は10対1ぐらいでしょうか。そのため、ダイヤモンド上での走塁(左回り)も含めて、野球は右利き用のスポーツかなと思ってしまいます。

 

 それをふせぐにはどうしたらいいでしょう。

 

 塁間を広げたらと私は考えました。1塁までの距離を長くしたら、左利きの内野手も出てくるかもしれません。でも瞬時のアウトセーフをめぐる攻防では、興味は薄れてしまいそうです。また、塁間が広くなれば、盗塁の確率も低くなり、これも興味が薄れることでしょう。

 

 何とか解決する方法はないでしょうか。

 

 フィフティーフィフティーを理念とするスポーツの視点からすると、やはり、野球はおかしいかな思ってしまいます。まして、平等を唱えるアメリカでできたスポーツなんですから。

 そのほか、右打者と左打者で1塁までの距離が違うというのはおかしいですよね。

 私がもしフィフティーフィフティーにするなら、ラグビーやサッカーで行っている、前後半制にしたらどうかなと思うのです。ラグビーやサッカーが前後半でコートを入れ替わるのは、風などの自然条件を均等にして、フィフティーフィフティーを保とうとしているのだと思います。

 その点からいうと、たとえば、1回から4回までを前半、5回から8回までを後半として前半は左回り方式、後半は右回り方式というのはいかがでしょうか。左利きの選手も内野手や捕手を経験できると思うのですが・・・。

 

 新年にあたって、こんなことを考えてみました。

 ちなみに競馬は、競馬場によって右回り、左回りがあるようです。