「ツバメの巣」平元文雄

「ツバメの巣」平元文雄

 県選手権大会甲賀ブロック一次予選が始まりました。会場は甲賀町油日小学校でした。
 さて、子どもたちが更衣する場所の近くにツバメの巣があり、ツバメが巣を出たり、入ったりしていました。
 子どもたちを集めて話をしました。「ちょっとあの巣、なんの巣かわかる」ある子は、「鳥」と言いましたが、「鳥」という返答だけではちょっと寂しすぎます。「ツバメ」という返事が返ってくるまでは少し時間がかかりました。今の子らの家の周りにはツバメの巣は少ないのかなあと思ってしまいました。
 お昼の休憩時、藤田コーチと食事をしながら、小さい時のツバメの話をしあいました。
 ツバメが飛来して巣作りを始めるころは、「玄関開けっぱなしやったなあ」「閉めててもツバメの通り道だけはしっかり開けていたで」「ツバメのフン対策に、巣の下に新聞紙しいてたな」と。
 ツバメがやってくると幸運が訪れると言われていて、どの家庭でもツバメは大事にしていたと思います。
 泥棒や空き巣対策のために、今では玄関を閉めることは当たり前になっていますが、私や藤田コーチの小さい頃は、田舎では引き戸の玄関を開けっぱなしにしていても大丈夫だったのでしょう。
 それだけ人が人を信頼できる時代だったのでしょう。まあ、とるものもなかった時代だったのかもしれません。

 ツバメの巣は泥や枯れ草を唾液で固めて作るから頑丈です。スズメの巣もよく見かけるのですが、それはわらや細長い草で作られているので、軽いし、もろいです。

 そこでサッカーの話です。

 

 今日の最終戦は3点も取られてしまいました。ディフェンスが軽い、もろいです。あんなに簡単に相手に抜かれたらダメです。やっぱり、ツバメの巣みたいに簡単には崩れない強固なディフェンスをしないとダメです。
 昔、イタリアのサッカーチームは『カテナチオ』と言ってディフェンスに力を入れたサッカーをしていました。鉄壁の守りでした。
 確かに攻撃的なサッカーは魅力ですが、失点が多いと、もうサッカーになりません。
自分の中で、チームの中で、もうこれだけ点を取られたら逆転できないと計算してしまうからです。
 失点をできるだけ少なくすること、そのために、ディフェンスを頑張ることもサッカーでは大事であると私は思っています。