「氷の世界に生きるホッキョクグマの親子」撮影:星野道夫
「サケが森をつくる」平元文雄
皆さま、新年あけましておめでとうございます。
本年も「菩提寺サッカースポーツ少年団」よろしくお願いいたします。
今日はサッカーの話ではありませんが、読んでいただければ嬉しいです。
昨年の秋だったでしょうか。山川コーチが、京都高島屋で開催されていた「星野道夫写真展」に行ってきたことをフェイスブック上に投稿していました。私も足を運びたかったのですが、行けずじまいに終わってしまいました。
もう10年も前になるでしょうか。私は栃木県馬頭町にある広重美術館にたまたま行ったときに、開催されていたのが、「星野道夫写真展」でした。
その写真展でアラスカの大自然、アラスカの風景や野生動物の写真に目を奪われてしまいました。特に印象に残っている写真は、ホッキョクグマ(白くま)の親子の戯れ、ツンドラを大移動するカリブー(トナカイ)の大群、それから、夜空に広がるオーロラの幻想的な美しさでした。
私はそれまで、「星野道夫さん」のことは何も知りませんでした。
アラスカに心引かれ、アラスカに旅され、その後、アラスカに永住され、最後はロシア連邦カムチャッカ半島のクリル湖畔で、テントで就寝中、ヒグマに襲われ、43歳の若さで亡くなっておられます。1952年生まれということですから、私と同い年です。
星野さんが書かれたエッセイや、写真集はたくさんあります。
その中で、私はアラスカがもともとロシア領であってアメリカがロシアから買収したこと、現地に住むエスキモー人やアメリカインディアンがモンゴロイドと言って、アジア人に似ていること(アジアからわたってきているのでは?)などを知りました。
それから、タイトルにもした「サケが森をつくる」では、産卵のため川を遡上してきたサケの大群(サケは生まれた川に戻って産卵するそうです。すごいですね)が産卵を終えて、その一生を閉じ、上流から戻ってくる。サケの死骸は土壌にしみこみ、栄養を与え、森を育むのだそうです。
もう一つ紹介させてください。本のタイトルにもなっている「旅をする木」ですが、川岸にあったトウヒの木が洪水で流され、海に入り、海流の影響でまた、元の場所近くに戻ってくることがあるようです。死んでしまったトウヒの倒木の上にトウヒの種子が落ちて、その種子に栄養を与え、新しい木を育てるということもあるようです。
この二つの話を知って、私は自然界の輪廻を感じてしまいました。
「旅をする木」「長い旅の途上」はエッセイです。「森と氷河と鯨」「アラスカ光と風」は写真+文です。子どもさん向けには、「アラスカたんけん記」がいいと思います。図書館にあると思います。ぜひとも読んでみてください。
最後に新年ですので、私の大好きな作家、山本周五郎さんの座右の銘であった名言を紹介して終わりにしたいと思います。
「苦しみつつ、なおはたらけ、安住をもとめるな、この世は巡礼である」-ストリンドベリ―
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山川 (日曜日, 01 1月 2017 23:46)
『旅をする木』は僕の人格形成に大きな影響を与えた本です。生命について、人間について、時間について。残念ながら星野さんにお会いすることは出来ませんでしたが、残してくださった写真と言葉を通してその世界に触れることが出来て嬉しく思います。いつか僕もアラスカに行きたいと思います。