「歌い継ぐ」平元文雄

 歌は世につれ、世は歌につれと言います。

先日、寺山修司さんの「家出のすすめ」という本を読んでいたら、こんな歌詞に出会いました。

 

逢いたさ見たさに怖さも忘れ

暗い夜道をただひとり

逢いに来たのに何故出て逢わぬ

ぼくの呼ぶ声忘れたか

あなたの呼ぶ声忘れはせぬが

出るに出られぬ籠の鳥

 

この曲は大正時代に大ヒットした「籠の鳥」という歌だそうです。

 

 この歌詞を見ていたら、大学時代、よくコンパで歌ったこの歌の替え歌を

思い出しました。それだけ昔から歌い継がれていたのでしょう。

 

試合に出たさに怖さを忘れ

星の出るまで練習した

練習したのに何故出してくれぬ

おれのいること忘れたか

お前のいること忘れはせぬが お前を出せばチョンボする

花の試合に出るには出たが おいらしがないラインズマン

 

 だいぶ昔の記憶をたどっているので、抜けているところや間違いもあると思います。お許しください。

 

 当時サッカー部の歌としてよく歌った歌詞を書いてみます。

 

おれとお前は新人さ

一緒に入ったサッカーの つらい修行も分け合った

男心の意地と熱

おれも若い身知ってるさ 女心の温かさ

思い通わぬ胸の内 女人禁制のこのクラブ

今に見ていろおれだって やってやってやり抜くぞ

かわいあの子の声援に おれの闘志は奮い立つ

目指すは関西リーグ戦 日ごろ鍛えたこの力

披露しますぜグラウンドで 敵のゴールにまっしぐら

腰のパンツにすがりつき 入れておくれというあの子

入れてやるのはやさしいが 女は入れないサッカー部

 

 もう少し、あとも続くのですが少し卑猥な歌詞もありましたのでこのへんで終わります。

 

 あと、忘れられないのは「八百屋お七」です。

「これより始まる物語 頃は元禄徳川の 井原西鶴その人の

五人女のその中の 八百屋お七の物語」と続いていきます。

 先輩の方が座布団を何枚か積んでその上で歌ってくださいました。

 長い歌でしたが、とても印象に残っています。

 

「歌い継ぐ」ばかりがいいとは言えません。

その時代や思いにあった新しい歌があってもいいと思います。

でも最近の学生さんはコンパでどんな歌を歌っているのでしょうか、

知りたいものです。