「いたわり」平元文雄

 7月末の湖南市杯は5、6年生で参加しました。二日目の岩根戦でこんなことがありました。

 岩根チームの10番の子が菩提寺の子のキックをお腹か胸に受けてうずくまりました。主審はすぐには気づかれずプレイは続きました。しばらくして気づかれた主審はプレイを止め、その子の様子を見た後、ベンチの指導者にその子のそばにくるように指示されました。幸い、大きなアクシデントにはならなかったのですが、菩提寺の子らの中にもその様子に気づいていた子もいたでしょうが、プレイを続けている子の方が多かったです。
 試合が終わってからのミーティングで、まず「5年生の人」と言って手をあげさせました。5年生はさっと手をあげます。次に「6年生の子」と言って6年生に手をあげさせました。6年生もさっと手をあげてくれました。
 そうしてから、上記のプレイについて話しだしました。「上記のプレイがあったこと知っている人」と尋ねると、多くの子が手をあげてくれます。そこで、私は子どもたちに「こんなときにはどうしたらいいの」と質問を投げかけました。しばらくだまったままでしたが、ある子が、「試合をきる」と言ってくれました。そこで、私は「そやなー」「分ってるやん」「試合を止めるんやな」「ボールをタッチラインの外に蹴りだしたらいいな」と。
 1、2年生ならこんなことを言っても理解できないでしょう。5、6年生ならこのことは理解して、実際にそんなことがあったら実行に移してほしいなと思いました。
 サッカーでは自分で判断し、臨機応変なプレイが求められます。
 今回のようなケースも、それが相手チームであったとしても人間としてのいたわりややさしさはとても大事だと思うのです。よく他人の痛みを感じることが大事だと言われますが、これらの経験が、サッカーだけでなく、普段の生活の中でも生かされていくのではないか、また、そうなっていってほしいと私は思っています。
 最後に主審の方にお願いなんですが、負傷者の状態チェックや、ゲームの進行に追われるでしょうがもしそんなプレイをする子がいたら、是非ともその子にグリーンカードを提示してあげてほしいと思います。

 

※「サウンド・オブ・ミュージック」は大好きな映画でした。すてきな曲が何曲も入って構成されています。この「ドレミの歌」は3年生か4年生を担任したとき、授業参観を音楽室でして、来ていただいた保護者の方にも音階になっていただき、該当の音階の時に立ったり座ったりしていただいたことを懐かしく思いおこしました。