「ねことねずみ」平元文雄

 今日はスポーツ少年団などで少年少女のサッカーの指導をなさっている指導者の方に読んでいただければ嬉しいです。
サッカーの指導者である池上正さんの講演を何年か前に聴かせていただいたことがあります。講演の最初に池上さんが取り組んでおられることをビデオで紹介されました。
 小学校の5年生ぐらいでしたでしょうか、体育の授業に入られてサッカーの試合をされるわけです。出前授業というのでしょうか。私が心を惹かれたのは試合までの取り組みでした。じゃんけんをうまく取り入れながらグループ分けをされるのです。初めて出会った子どもたちが池上さんの魔術にかかったように実に楽しそうに取り組んでいくのです。すごいな、こんなふうにやってみたいなと思いました。子どもたちは食いついてくるし、目が輝いているのです。
 私も長年サッカーの指導をしてきましたが、やっぱり指導内容が一番気になりました。子どもたちを惹きつける、子どもたちが楽しくなる、それでいて効果のある指導内容はないかなと思う日々でした。

 試合などで他会場へ行っても何か面白い練習をしているチームはないかな、と目を光らせたものです。面白い練習があれば、自分のチームにも取り入れました。
 今日は私の気に入っている『ねことねずみ』というゲームを紹介したいと思います。
 これはかけっこのゲームです。何かの講習会で教わったゲームですが、私が練習の中で取り入れておもしろかったゲームです。
 1対1で長座姿勢ですわります。一人がねこでもう片方はねずみです。10組ぐらいがいいでしょうか、詰めずに横の間隔もとりましょう。足をくっつけている真ん中を挟んで右側はねこ、左側はねずみとなるわけです。(呼び方は逆でもいいです)
 この時、指導者は『歌のおにいさん』になってほしいのです。音痴でもかまいません。旋律をアレンジしてもらっても構いません。ねこ組、ねずみ組が並んでいる横でこう歌います。【ねこくんとねずみくん どちらがかけっこはやいかな ねー ねー ねー ねー ネコ(ネズミ)】
 『ねこ』と言ったらねこがねずみを捕まえるために追いかけます。ねずみはねこに捕まえられないように(タッチされないように)逃げるのです。タッチできたらねこの勝ちです。
 後ろのタッチラインぐらいまで逃げたらねずみの勝ちです。この逆で『ねずみ』と言ったら、ねずみはねこを捕まえに追いかけます。捕まえたら(タッチできたら)ねずみの勝ちです。逃げ切ったらねこの勝ちになるわけです。
 このかけっこゲームは集中力や判断力、瞬発力を養うのにいいなと思います。
 1回やったらメンバーを変えてやりましょう。
 『ねー ねー ねー ねー ねこ(ねずみ)』の言葉だけでもやれますが、私は指導者が歌を歌ってほしいと思います。時にはフェイントを入れて、ねことねずみの代わりに「ネクタイ」「ネギ」などを入れたりするののも面白いと思います。
 インターネットで「ねことねずみ」を検索すれば絵入りで出てくると思います。興味のある方はご覧ください。それから、『ねことねずみ』こんな歌かなと思いますので楽譜を添付しておきます。