「胸をなでおろしたこと」平元文雄

 今から何年前になるでしょうか。水口ロータリークラブの事業として、甲賀トレセンチームが韓国遠征を行いました。私も当時、甲賀トレセンチームのコーチをしていましたので同行しました。

 2日目か3日目だったと思います。トレセンチームの中の一人の子どもが熱を出しました。その日も試合があったので同行したコーチの方は試合に行かれました。

 病院へは私一人が同行することになりました。宿泊地の車で病院へ。診察の後、子どもは点滴を受けることになりました。

 私は子どもが点滴を受けている間も一つ心配なことがありました。それはこの診察料金はどう支払うのかということでした。韓国語は、「アニハセヨ(こんにちは)」と、「カムサハムニダ(ありがとう)」しか知りません。

 点滴が終わってしばらくしてから、受付から名前を呼ばれました。「ドキドキです」 身振り手振りで話したのでしょうか、それとも片言の英語で伝えたのでしょうか、今ではすっかり忘れてしまいましたが、とにかく意味が通じたようです。そこで言われたのは、「No Money」 お金は結構ですということでした。「よかった」 本当に胸をなでおろしたものでした。後で知ったことなのですが、この病院長が水口ロータリークラブと交流している現地のロータリークラブの会長をなさっていたようです。そのため、配慮していただけたのでしょうね。ありがたかったです。

 

 さて、くも膜下出血で倒れてから10年が経ちました。からだは思うように動きませんが、皆さんに支えていただいて、自分のできる範囲のことをやらさせていただきました。

 しかしながら、最近体調がかんばしくないこともあって、この3月で活動を終えたいと思います。

 このホームページ上では、月1のペースで、サッカーを通して感じたこと、思ったことを中心に書かさせていただきましたが、今回でおしまいにしたいと思います。長い間ご愛読いただきありがとうございました。