「審判活動に思うこと」平元文雄

「審判活動に思うこと」平元文雄

 今から40年以上前のことになります。
 私の最初の赴任先は甲西中学校東寺分校でした。東寺分校は、石部にある近江学園、落穂寮、一麦寮などの知的にハンディをもつ子どもたちの学校でした。
 本校は甲西中学校です。当時甲西中学校サッカー部は強かったでした。滋賀県の中体連の大会で優勝し、近畿大会にも出場しました。甲西中学校のサッカーの指導は皆木先生(社会人チーム愛蹴会の大先輩、のちに滋賀県サッカー協会の会長を歴任)で、私もあいている土日はお手伝いさせていただきました。
 中体連の大会の審判もしました。
 私が審判した後、皆木先生がこんなことを言われました。
「試合でよく走るのはいいけれど、ゲームの中に入り過ぎる」と。今でも覚えている一言です。私はできるだけボールの近くでジャッジしようとして、ボールに近づきすぎていたのでしょうね。自分では一生懸命、うまく審判をしているつもりだったので、先生の言葉は意外でした。でも、よくよく考えてみますと、独りよがりで、ゲームの進行の邪魔をしていたのではないかと。それがその後の私の審判活動の出発点になりました。ゲームの中に入りすぎない、ボールのある所から少し距離をとって、冷静に試合をコントロールすることが大事なんだと。

 今年も審判講習会で受講し、4級審判に合格しました。私は病気の後遺症で、主審をするような動きはできないのですが、予備審ならできるかなと思って今年も受けました。でも、よく考えたら、主審にトラブルがあった場合には予備審が代わりをしなくてはならないのです。そんなことはめったにないと思うのですが・・・。そうすると私の予備審も怪しいものです。
 
 今までスポ少の試合で何試合も審判をしてきました。審判をしてきて感じたことは、このHPの平元監督の部屋でも、「練習試合の主審」「レッドカード」などで触れてきました。
 少年サッカーが8人制になり、一人審判が主流となる中で、益々、主審の力量が問われるようになりました。
 「プレイオン」「アドバンテージ」など、先を読んでジャッジできるようになるには、やっぱり経験を積むしかないと思います。新しく4級審判の資格を取られた方も含めて、どしどし試合で笛を吹いていただけたらと思います。そしてできることなら、審判経験者の方に試合を見ていただいて、コメントをいただくようにしたら、よりいいなと思っています。